本物を見逃さないために注意してほしいこと
※引き寄せや潜在意識活用についての説明は、「掲示板からの転載」カテゴリーにまとまっています。
昨日、スピリチュアルからの脱依存体験を綴ったブログを紹介しましたが、そちらを読んでいて気になることがありました。
「そのままの自分でいい」「やりたいことだけやればいい」「がんばらなくてもいい」など甘い言葉に惑わされるな、というようなメッセージが散見されたからです。
これはメッセージを受け取る側の問題ですね。
たとえば私は「そのままの自分でいい」「やりたいことだけやればいい」「がんばらなくてもいい」と思っています。
でも、私の中では、
「そのままの自分でいい」→相手を無視した行動でも許される
「やりたいことだけやればいい」→食い散らかすような遊びばかりしていていい
「がんばらなくてもいい」→怠惰にしていていい
という意味ではありません。
これらを「甘い言葉」と切り捨ててしまうのは、上記のような「メッセージの受取手に都合のよい解釈」と、「そもそもこれらのメッセージに込められた本当の意味」とを、混同しているからです。
どのように幸せになるかは各人の自由です。
上記のメッセージの本当の意味を「そんなうまい話はない」と警戒して、「常識的」に生きるのも自由です。
それで幸せならば何の問題もありません。
ただ、上記のメッセージの本当の意味を知っている者からすると、「偽物にひっかかってしまったからといって、本物の存在も否定してしまうなんてもったいないなあ」とモヤモヤしてしまうところがあります。
たとえば、宝石の贋物をつかまされたとしましょう。
確かにその宝石は贋物でした。嘘でした。
でもその宝石が贋物だとしても、別個に本物の宝石も実在しますよね。
それを「そんな宝石はないんだ」と一緒くたにしてしまうのはもったいないし、真実ではないということです。
久しぶりに人工知能の話で説明しますね。
宝石の真贋を人工知能に見抜いてもらうとしましょう。
100個あるうち、1個が真で、99個が偽だとします。
高性能の人工知能を簡単につくるにはどうしたらいいと思いますか?
答えは簡単、なんでもかんでもすべて「贋物」と判定すればいいのです。
100個あるうち、99個は正解になります。
何も考えなくても、正答率99%。すごいですね。
…すごいですか?
本当は全然すごくないですね。だって何も考えていません。
そして本物がちゃんと1個あったのに、見逃してしまっています。
このような場合、人工知能の性能は次のようにそれぞれの結果を調べて測ります。
A 本当は真の宝石を、真だと正答した
B 本当は真の宝石を、偽だと誤答した
C 本当は偽の宝石を、真だと誤答した
D 本当は偽の宝石を、偽だと正答した
さきほどの単純な人工知能の「本物の宝石を見つける能力」は、Aが0%、Bが100%というひどい結果です。
私たちは本物の宝石がほしいのに、これでは意味がないですね。
なんどもいいますが、これでも正答率99%です。数字って怖いですね。
これが1000個の中に本物が1個なら99.9%だし、10000個の中に1個なら99.99%です。
こんなにザルでも。
何でもレアなものは、「存在しない」「起こり得ない」と言い切ってしまえば、たいていはその通りです。
正答率99%です。
でもそれでは、本当に望んでいるものを見逃してしまうのです。
だから単純な決めつけはもったいないです。
見る目を磨きましょう。
本物の宝石があるから、その威を借ろうと詐欺師が贋物を作ります。
上記のメッセージも、もともとはまともなあたたかい意味が込められて発せられたものを、詐欺師が都合のいいようにその威を借りて詐欺の道具にし、受取手は弱点を突かれるままに自分に都合のよい甘言として解釈し、自ら依存を深めてしまうのです。
でも君子危うきに近寄らずともいいますし、縁がなければ、上記のような一つ間違えばおかしなことになってしまうようなメッセージに深入りすることもない、というのも真実です。
幸せへのアプローチは人それぞれです。
ただ、私の立場からは、上記のようなメッセージも、引き寄せや潜在意識について世間で言われていることは、すべてがすべて嘘ではなく、本当の情報は本当にすごい効果のあるものなので、贋物が贋物であるということとは別に真実が存在していることを否定しなくてもいいんだよと言うことをお伝えしたいです。
また決めつけについて、だいたいはいい結果が出るとしても、レアで貴重なものをたやすく見逃してしまい、それを自覚しにくいという認知の仕組みについて紹介しました。
決めつけも不完全知覚の一例です。
見る目を磨くには「毎日よかったことを5つ書くワーク」が役に立ちます。
不完全知覚とワークについては、掲示板からの転載に多く書いていますので、そちらも御覧ください。